開催趣旨

様々な e-Learning の活用が進められており、講義資料や理解度テストなどだけでなく、ソーシャルネットワーキング機能などの協調学習を支援する利用も増えている。今回の研究会では、映像の利用に着目して討議を行う。単なる講義映像は各大学の OCW (Open Course Ware) でも提供されているが、それに留まらない映像の利用方法や協調学習を行うためのしくみについて考えたい。

プログラム

13:30 -
[ 開会挨拶 ]
13:30 -
[ 講演1 ]

映画で英語を磨く自習学習プロジェクトにおけるmoodle活用のためのポイント
講師 大倉 孝昭 氏 (大阪大谷大学)

要旨

DVD 映画を教材とするWeb-CALL”を開発した。独立したツールとしての試験運用結果報告(国内学会)やWeb Based Education 2009(in Phuket)での学習システム開発の発表を通じ、多くのCALL 実践者・研究者から「自分達も利用したい」という要望を受けた。そこで、moodle 上のコースウェアとしてWeb-CALL を提供し、自主学習で効果的に運用することを目指し、5週間の実践実験を行った。“映画で英語を磨く自主学習プロジェクト”に高い関心を寄せる学習者を集め、2つのグループ(2大学)で行ったところ、グループ間でプロジェクトの修了率に大きな差が出た。提供機器、moodle の利用経験、Web-CALL のインタフェース、タスクの量、学習目標の設定、ファシリテーション(教師の支援)など、さまざまな視点から検討を加え、デモンストレーションと、実践結果の報告を行う。

14:30 -
[ 講演2 ]

自学自修ソーシャルラーニングシステム「学びあい」の構築
講師 吉田 賢史 氏 (早稲田大学高等学院)

要旨

ソーシャルメディアを活用したソーシャルラーニングが注目されている。ソーシャルラーニングには、主に次の2つのアプローチがある。第1のアプローチは、twitterのようなマイクロブログによる「つぶやき」から、教員が学習者のコメントを引き出し、消極的な学生の授業(講義)への積極的な参加を促そうというアプローチである。このアプローチは、一方向的になりがちな講義に双方向性を持たせるという効果がある。これまでは、掲示板やチャットシステムを教員自らサーバーに設置する必要があった。しかし、Twitterのようなマイクロブログの登場により、講義・授業への活用が容易になり、心理的敷居も低くなったと言える。第2のアプローチは、facebookやmixiなどのソーシャルネットワークサービス(SNS)サイトを活用した「学びの場」の提供である。「学びの場」として、SNS上にクローズドなグループを作成し、その中で教員が講義資料やtwitterによるコメントを共有しようという試みである。これは、Learning Management System(LMS)/Cource Management System(CMS)的な利用方法である。本研究会では、第3のアプローチとして学習者自身がコンテンツを作成する学習形態(Learning by Creating Contents)を紹介する。学習者がコンテンツを作成する手法として、web上でT2VPlayerによるコンテンツ制作システムについては、CIEC第1回研究会で述べている。しかし、当時のシステムは、制作されたコンテンツを学習者同士が共有し、コメントしあう機能は提供されていない。そこで、コメントしあう機能を有しT2VPlayerと連動した学習コミュニティサイト「学びあい」を構築した。このような、学習システムの紹介だけでなく、システムの開発の背景となった学習者の思考スタイルや行動スタイルについて述べ、実際の学習者の反応について報告する。

15:30 -
[ 総合討論 ]
16:30
[ 閉会挨拶 ]

参加費

無料 (どなたでもご参加いただけます)。


開催趣旨

2011年1月の中央教育審議会キャリア教育・職業教育特別部会答申「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」等には、キャリア教育は生涯学習社会の構築を目指し、幼児期の教育から高等教育まで体系的な推進の必要性があると述べられている。キャリア教育の根幹に職業生活を含めた一人一人の幸福な人生設計の重要性があることは、すでに多くの教育者にとって周知のことである。またキャリア教育とは、「一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育」としており、特定の時間や活動・教科・指導方法で実施するものではなく、さまざまな教育活動を通して実践されるものであるとしている。しかし、現実にはキャリア教育に関する教科書がないため、必要性は十分に意識しているものの、その目的や趣旨を誤解されたまま実践されていることも多い。

キャリア教育において考えると、初等中等教育では高校卒業後のキャリア形成を実現する準備段階と位置づけられており、また高等教育では社会的・職業的自立が目前に迫る時期であり、その内容も広く多岐に渡っている。今回の研究会では、学習論の若手研究者に教育と職場の接続性や、また教育で得られた能力や知識を活用する事例について紹介していただき、参加者がそれぞれの立場や教育活動の中で可能な、キャリア教育について、カリキュラムや生徒に対する工夫などについて、提案し、意見交換する。

この研究会を通して、小中高大さまざまな学校における、各教科・講義担当者のそれぞれの視点から、キャリア教育についてその実践を通して、問い直すことができることを期待する。

プログラム

13:30 -
[ 開会挨拶 ]
13:40 - 14:40
[ 講演1 ]

学習論の変遷と状況論・活動理論からみた看護教育:越境的な学びへ
講師 香川 秀太 氏 (大正大学人間学部教育人間学科 専任講師)

14:50 - 15:50
[ 講演2 ]

教育と活用の間の障壁に潜むもの:研修効果測定モデルの構築を事例に
講師 伊達 洋駆 氏 (有限責任事業組合ビジネスリサーチラボ 共同代表 神戸大学大学院経営学研究科 博士課程)

16:00 - 16:30
[ ディスカッション ]

各学校での体験活動を,どのように次のステージや職場と接続できるか)

16:30
[ 閉会 ]

参加費

CIEC 会員は無料、その他の方は500円 となっています (どなたでもご参加いただけます)。


開催趣旨

政府によるスクールニューディール構想によって、電子黒板が全国の小中学校に配備され、インフラ面での学校のICT環境は整いつつある。CIECにおいては、2010年12月に第89回研究会「デジタル教科書、電子教材の今後」が開催され、電子教材のあり方から活用方法までが議論された。

「教育の情報化」は、学校の授業環境の側面で、着実に進行していると考えられるが、その使い方がわからないなどといった現場での不安があるのも事実である。このような不安に対しては、電子黒板やデジタル教材の実践事例紹介が有効であると考えた。

CIEC小中高部会では、本研究会で電子黒板やデジタル教材を単に「このように使ってみた」という実践事例の発表の場とするのではなく、「この授業を行ったことで、これまでの授業と何が変化したのか」、「子どもたちにとってどのような効果をもたらすのか」などについて、初等中等教育現場としての立場から検討していきたい。また、国外の活用事例報告や従来とは異なった新たなデジタル教材の活用スタイル、電子黒板の利用方法などについてもアイデアを出し合い、これからの初等中等教育のICT活用について、議論を深めていきたいと考えている。

プログラム

13:00 - 13:10
[ 挨拶・開催趣旨 ]
13:10 - 14:10
[ 講演1 ]

電子黒板を活用した模擬授業 (小6年 道徳)
講師 増坪 広夫 氏 (山梨県甲斐市立双葉東小学校 教諭)

14:10 - 14:50
[ 講演2 ]

電子黒板活用環境づくり ~行政及び学校経営の立場から~
講師 奥山 賢一 氏 (山梨県北杜市立高根北小学校 校長)

14:50 - 15:00
[ 休憩 ]
15:00 - 15:30
[ 講演3 ]

海外での実践事例報告
講師 坂野 勝美 氏 (株式会社アスタリスク)

15:30 - 16:20
[ ディスカッション ]
16:25
[ 閉会 ]

参加費

CIEC 会員は無料、その他の方は500円 となっています (どなたでもご参加いただけます)。


開催趣旨

東日本大震災では多くの尊い命が一瞬にして奪われました。同時に情報メディア基盤のインフラ整備についても整備や運用の問題も浮き彫りになりました。特に、身近な情報端末としての携帯電話についても改めて問題となりました。今回の地震による災害避難情報が携帯に伝わらなかったこと、被災した方々の気持ちとは裏腹に日本全国に震災に絡んだチェーンメールが出回ったこと、またマスメディアにおいても様々な情報が錯綜し「本当の情報は?」といった情報の信憑性やマスコミの対応に疑問視する声が日増しに多くなるなどいわば「情報の影」の部分が浮き彫りになった震災ではなかったと思います。このことは普段「情報モラル」を指導している私たちにとって改めて考えさせられる経験でした。

今回の研究会では、この震災を通じて「情報とは何か」について改めて考え、震災から学び得たものや改善すべきものを整理するとともに、校種別 (小・中・高・大) に今回の震災を影響について問うてみたいと考えています。

また、参加された東北・関東地区の先生方から実践報告も兼ねた研究会にしたいと考えております。

プログラム

10:00 - 10:10
[ 開催趣旨説明 ] (小中高部会)
10:10 - 11:00
[ 講演 ]

「震災とメディアの活用~リテラシーと情報支援を中心に~」
講師 藤川 大祐 氏 (千葉大学)

11:00 - 11:15
[ 休憩 ]
11:15 - 12:50
[ 実践報告 ]

* 研究会の参加者から「震災の影響について」のご報告をいただければと考えております。
参加対象:情報モラルに関心のある方は、是非、ご参加ください。

参加費

CIEC 会員は無料、その他の方は500円 となっています (どなたでもご参加いただけます)。


「CIEC春季研究会 2011」開催のお知らせ

ご無事であることを心よりお祈り申し上げますと共に、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。

CIEC会長、副会長からの「東北地方太平洋沖地震お見舞い」メッセージにも書かれておりますが、ネットワークメディア活用による情報対応能力が極めて重要であることは明らかであり、情報弱者への対応も大きな問題になっております。

このような緊急事態だからこそ、教育と学びにおけるコンピュータおよびネットワークの利用のあり方等に関する研究成果に、数多くの課題があることに「気づき」、そこから何を「学び」、そして何を「考え」「行動」すべきかを議論できるかもしれません。我々にできることは、教育・研究者として、いかなる事態でも、教育や研究を継続し、比較的被害の少なかった東京で予定されていた平常の活動や研究会を粛々と進めることも重要であると考えます。

東日本大震災以降、このような研究会などは、中止が当然という流れで、全国的に様々な学会や研究会などが次々と中止されていますが、教育・ 研究活動に支障が生じていることについて懸念を表明している発表者や参加者が複数いますし、逆にこのような事態であるからこそ、教育や研究に関わる者が集まる必要があると考える発表者や参加者がいることも事実です。

発表は、当初のプログラム通りに行う予定にしております。しかしながら、様々な事情等により、空白となる時間帯や発表順序の変更、発表会場の合併等が生じる可能性があることを、ご了承ください。

会場 (〒166-8532 東京都杉並区和田3-30-22 大学生協会館) の建物は、幸い損害もなく使用可能の状態です。

一定の落ち着きを取り戻しつつありますが、いまだ、交通事情、停電等における突然の事態により、開催直前・開催中に中止・中断せざるをえない可能性は否定できません。

発表・参加についてはこのような条件を考慮し、くれぐれも無理のない範囲でご参加ください。

都合により、以下の発表は中止となりました。 [ 2011.3.24現在 ]

  • B会場 セッション3 実践論文「タブレットPCを用いた韓国語電子教科書の試作および評価」
  • B会場 セッション3 研究速報「更なる携帯電話機の活用による韓国語学習の拡大へ ‐ハングル検定5級試験対策用の学習アプリ‐ 」
  • B会場 セッション4 研究速報「Web作成技術に関する基礎知識の測定」
  • A会場 セッション5 資料論文「Podcastによる電子書籍 (PDF・EPUB) の配信」

開催趣旨

学びとコンピュータやネットワークの利用に関する教育や研究をされている多くの方々のご協力とご支援をいただき、CIEC研究委員会では、昨年度に続き、査読付論文誌『CIEC研究会論文誌Vol.2』を発行いたします。

コンピュータやインターネット、そして、ケータイなどの情報コミュニケーションツールが急速に高機能化し、高度化するだけでなく様々に関係しながら我々の社会生活に大きな影響を与えています。このような背景の中で、教育の質の向上のために、ICTを活用した教育に関する新しい方法がいくつも開発され、また、実際の教育の現場で多く試みられながら実践され、成果をあげていることがこの研究会での報告からもわかります。

そして、これらの成果を積み重ねることで、主観的で感覚的な評価も次第に客観的で具体的な目標とそれを達成すべきレベルとして明確に示すことができるようになると考えられます。

この研究会では、『CIEC研究会論文誌Vol.2』に掲載される教育と学びにおけるコンピュータおよびネットワークの利用のあり方等の研究やその実践の報告が行われますので、会員のみなさまの積極的な参加を期待しております。

プログラム


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論文発表プログラム (PDF形式, 291KB)

参加費

CIEC 会員は無料、その他の方は500円 となっています (どなたでもご参加いただけます)。