• プロジェクト事業選定要項

    本プロジェクト事業の趣旨 CIEC は、教育におけるコンピュータ利用のあり方を研究し、その成果を普及することを目的としています。その目的を達成するために、様々な事...

  • プロジェクト事業費の対象経費等

    対象とするもの 人件費 (データ入力作業などのアルバイト費用) 制作外注費 (印刷物、Web コンテンツのデザイン等制作) 研究 (会)に関連するアドバイザー、講師謝礼 施設...


  • 役員名簿

    会長理事 若林 靖永 (佛教大学) 副会長理事 中村 泰之 (名古屋大学) 飯吉 透(京都大学) 興治 文子 (東京理科大学) 長岡 健 (法政大学) 個人会員理事 河口 紅(一般社団法...

  • CIECとは

    CIECとは「Community for Innovation of Education and learning through Computers and communication networks」の略称で、シークと読みます。教育と学びにおけるコン...


  • 会誌一覧

    以下の会誌 (コンピュータ&エデュケーション) の目次や抄録などが閲覧可能です。 購読のお申し込みを承ります。フォームよりお問い合わせください。

  • 2015年度総会を2015年8月21日に開催

    会長理事 熊坂 賢次 一般社団法人 CIEC 定款第 4 章第 22 条から 30 条までの規定にもとづき 2015 年度一般社団法人 CIEC 定時社員総会を以下のとおり開催します。 ご参...


  • 会誌 Vol.38 の目次と抄録を公開

    会誌「コンピュータ&エデュケーション」Vol.38 の目次と抄録を掲載しました。「会誌一覧」のページからご覧いただけます。

  • CIEC第106回研究会が6月6日に開催されました

    CIEC第106回研究会が、6月6日に開催されました。開催内容は、告知ページをご参照ください。


  • 団体会員名簿を更新

    団体会員名簿を最新のものに更新しました。

  • CIEC 春季研究会2015

    開催趣旨 CIEC春季研究会は、学びとコンピュータやネットワークの利用に関する教育と研究の報告、討論を行うことで、より品質の高い成果へと結びつけるとともに、様々な...


若林靖永 (京都大学経営管理大学院経営研究センター長)


CIECは1996年7月に設立されました。大学生協がアップル社マッキントッシュを販売する事業を開始するなかで、HELP計画を展開するようになり、そのなかで大学教育等でのPC活用について学び交流するPCカンファレンスが始まりました。その積み重ねを経て、CIEC(旧名称 コンピュータ利用教育協議会)が設立されました。

CIECは、コンピュータ、インターネットの登場で教育を革新するという展望をめざす団体として設立され、大学教育等でのPC利用、大学等でのインターネット情報基盤整備などについての成果を発表し、学び交流する学術団体です。

その後、PCカンファレンスを全国大学生協連合会と共催開催し、学術雑誌『コンピュータ&エデュケーション』を年2回発刊して、成果の発表・交流等をすすめてきました。また、小中高の教員による部会、外国語教育部会、大学生協職員部会など部会という自主的な集まりが生まれ、北海道や九州での地域PCカンファレンスが展開され、北海道支部、九州支部ができました。

現在、PCおよびインターネット、そしてスマートフォンなどはすでに広く普及し、教育におけるIT革新、EdTechはさらなるイノベーションを遂げようという挑戦がすすめられています。文科省・新学習指導要領、経産省・未来の教室とEdTechなど、さらなる教育改革がすすめられようとしています。

このような状況のなかで、CIECはすでにパイオニア、トップランナーではなくなっているのではないか、というのが私の現状認識であり、危機感です。CIECのミッション、ビジョンを再定義するべきであろうと思います。

そこで私が考えるのが2つの戦略と2つの課題です。まず、2つの戦略のうちの、第1の戦略は、データドリブンの教育イノベーションを核とした教育研究・教育実践を推進するというものです。ID(インストラクショナルデザイン)のアプローチをデータサイエンス、ビッグデータによって高度化するというのがそのねらいです。データにもとづいて個別学習者に応じた最適化した学びの支援が行われるというようなものです。第2の戦略は、人間が成長していくことの本質に注目して、越境学習等に関する教育研究・教育実践を推進するというものです。人間が自分にとってすでになじみのある世界(コンフォトゾーン)のうちにある限り、課題は与えられず、自己革新の機会が得られません。「越境」によって新しい学びを得、主体性、創造性、他者への理解と寛容を高める教育に注目します。

2つの課題のうち、第1の課題は産官学連携の具体化です。政府、地方自治体、民間企業、団体で、EdTech等、学習・教育イノベーションを推進する動きがさまざまに広がっており、これらの動きと連携し、CIECが貢献することが求められます。第2の課題は会員(個人会員・団体会員)の拡大です。学校教員のみならず、教育に関心のあるさまざまな個人や団体、企業に会員になってもらい、CIECの場を通じて学び交流することが広げることが求められます。

以上を実行していくために、新会長は自らメッセージを定期的に発信するとともに、理事会、専門委員会、部会、支部ほかに呼びかけて新たな動きを具体化してきたいと思います。ともに、私たちの、私たちを充実させてくれる、人類の未来のための、新しいCIECをつくっていきましょう。

2018年8月25日


2018PCカンファレンスの全体テーマ「ひらめき ときめき はばたき」は、「AI時代において人間とは何か、人の学びとは何か」を意識して名づけられました。PCカンファレンスが誇る伝統の一つ「イブニングセッション」は、まさに人間ならではの「交流」や「想像」の創発をねらった参加者自主企画です。Special第17回では、今回の全体テーマを象徴する「イブニングセッション」の報告を、順次公開していきます。ぜひご覧ください。


2018年8月25日(土)、CIEC学会論文賞の表彰に続き「2018PCカンファレンス論文賞」の表彰式が行われました。本年度は審査基準を初めて公開し、CIEC理事会および大会実行委員から選出された8名の論文賞選考委員が、分科会(口頭発表・ポスター発表)論文計120本を査読し、最優秀論文賞1本、優秀論文賞3本、学生論文賞1本を選出しました。Special第19回では、2018PCカンファレンス論文賞の各賞に輝いた皆さんの「喜びの声」をお伝えします。

2018PCカンファレンス最優秀論文賞

鈴木公貴・木村聖・高瀬治彦・北英彦・川中普晴(三重大学大学院工学研究科)
「解答の入力停滞からの学生の自信がない語の検出の試み―停滞の判定基準に関する検討―」

受賞理由
総合評価第1位。センター試験に代わる新しいテストが模索されている中、“正解”ではなく解答の“振る舞い”に着目した点で興味深い。教育上の活用用途も広く、今後の発展に期待が持てる。


写真左は安藤新二2018PCカンファレンス実行委員長(熊本大学教授)


このたび、2018PCカンファレンス最優秀論文賞という大変光栄な賞をいただき、ありがとうございます。大変嬉しく思っております。これも共に研究しご指導いただいている先生方のおかげだと心から感謝しております。
本研究では、学生の理解状況を解答だけでなく、解答の入力過程という学生のふるまいからでも読みとれないかという目的のもと、研究を進めてまいりました。昨年までは、学生の入力が10秒以上停滞した箇所を学生の自信がない箇所として、その周辺の語を抽出していましたが、今回は入力が平均入力よりも2秒以上遅れている箇所に着目する新たな手法に目を向けました。
この受賞を励みにし、本研究をより大きく発展させ、教育分野にとどまらず様々な課題に取り組んでいきたいと思います。

2018PCカンファレンス優秀論文賞

岡本真由子(愛知県立瀬戸窯業高等学校)
「多様な創発手法の体系化と実践事例の分析」

受賞理由
新規性評価第1位。商業高校生にベンチャー企業が協力した教育実践もユニークだが、特殊事例の報告として終始するのではなく、創発手法として一般化、体系化を試みている点が斬新である。


写真左は安藤新二2018PCカンファレンス実行委員長(熊本大学教授)


この度はこのような素晴らしい賞を頂き大変光栄です。ありがとうございます。
わたしの所属する愛知県立瀬戸窯業高校は全国で唯一[窯]の名前が残るセラミックを専門的に学ぶことができる学校です。まさに手の技を学ぶことができるフィジカルな現場です。それに対して前職のソフトピアジャパンはIT企業の集まるデジタルな現場でした。
今回の論文はその2つの現場のフィジカル、デジタルと相反的に見える要素を創発手法という両者のクリエイティブが交わりで融合させ、体系化し実践しました。IoT等デジタルとアナログとのデジタルツインが注目されるなか、その試みは面白く受け取って頂けたのだと思い大変有難く、嬉しいです。
この度は大変ありがとうございました。

2018PCカンファレンス優秀論文賞

佐藤和彦(室蘭工業大学大学院)・Bishnu Prasad Gautam(稚内北星学園大学)​
「異国間児童の交流を支援するアプリケーション開発とネパールでの試用実験の報告」

受賞理由
総合評価第2位。ノンバーバル・コミュニケーションを重視したアプリ開発は、国際交流の本質に根差している。また実際にネパールの小学校2校との間で実践している点も高く評価できる。


写真左は安藤新二2018PCカンファレンス実行委員長(熊本大学教授)


このたびは、2018PCカンファレンスの優秀論文賞にご選出いただき誠にありがとうございます。大変嬉しく思います。本研究は、2010年度にネパール山村地域の学校に無線ネットワークを整備し、インターネットを利用した学習環境を整える活動から始めた研究です。スマートフォンの普及にともない、ネパールの過疎地域にも高速無線ネットワークが整備され始めたことで、本研究はその上で子ども達が実際に利用する学習支援アプリケーション開発に移行しました。ネパールは環境格差が大きく、街なかの学校と山村部の学校では教育インフラやコンピュータ環境に大きな差があります。今回はその実態調査を兼ねて、我々が開発した学習支援アプリを使ってもらった結果を報告させていただきました。将来的には、ネパールと日本の子ども達を結ぶ遠隔交流を実現したいと考えております。今回の受賞を励みとして、これからも教育に貢献できるよう努力していきたいと思います。

2018PCカンファレンス優秀論文賞

渡邉ゆきこ(沖縄大学人文学部)・大前智美(大阪大学サイバーメディアセンター)
「発話を促す多言語教材の開発 ―外国語教育における音声認識・合成APIの可能性―」

受賞理由
応用可能性評価第1位。中国語の発音に十分な指導時間を割けない課題を、Web翻訳機能の逆転発想(発音→文字出力の正解診断)で打開しようとした意欲的な試みであり、多言語にも展開しうる。


写真左は安藤新二2018PCカンファレンス実行委員長(熊本大学教授)


この度は2018PCカンファレンス優秀論文賞を賜りありがとうございます。望外の喜びであり、誠に身に余る光栄です。 語学教育におけるe-Learning教材は、英語以外の言語では未だ限られており、その多くがインプットに比重が置かれているため、アウトプットである発音や発話は限られた授業時間の中での教員による指導に頼らざるを得ないのが現状です。なんとか発音や発話を独習できる環境を作れないかと模索してまいりました。 今回開発したソフトは、まだまだ稚拙な技術ながら、音声認識と音声合成APIを使って構想を形にしたものです。このような形で認めていただけたことを本当に心強く思っております。拙文のタイトル通り、今後は多言語対応に向けて努力を続けていく所存です。

2018PCカンファレンス学生論文賞

近藤崇祥・福澤力也・鎌田洋(金沢工業大学情報フロンティア学部)
「双方向授業システムのグループ集計機能」

受賞理由
色カードの画像認識による集計は、携帯端末やクリッカーがなくても実施できる汎用性がある。グループ集計機能が加わることにより、双方向授業での活用用途が広がった。


写真左は安藤新二2018PCカンファレンス実行委員長(熊本大学教授)


この度は、2018PCカンファレンス学生論文賞にご選出いただき誠にありがとうございます。本論文が選出されるとは思いもよらず、大変驚き感激しております。本研究は、一斉授業のコミュニケーションを改善するために、教員の問いかけに対して学生が回答として挙げた色カードをWebカメラで捉えてパソコンでリアルタイム集計する簡便なシステムの機能に関するものです。本システムは当研究室で長年研究をしてきたものであり、今まで研究成果を積み重ねてくださった研究室の方々に心より感謝申し上げます。今回発表させていただいた研究は、これまでになかったグループごとの集計機能に関するものであり、さらに活用用途を拡大することを目的にしたものです。今回の受賞を励みとして、一斉授業を円滑に運営するための一助となるために、今後も本システムの研究にさらに取り組んで参ります。

受賞者の皆さん、改めておめでとうございました!!
PCカンファレンス論文賞の表彰は来年度も実施予定です。たくさんの分科会発表のお申込み、そして論文のご投稿をお待ちしております!!