新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の国内感染拡大の影響を受け、急遽オンラインで行われたCIEC春季カンファレンス2020。Special第22回は、オンライン開催に至ったその過程を、委員長の菅谷克行さん (茨城大学) が振り返る形でお伝えします。
会長が自らインタビューを行う企画の第6回。今回は、若林会長と同じ職場(京都大学)の飯吉透さん(京都大学教育担当理事補/高等教育研究開発推進センター長・教授)にインタビューを行いました。

これまでの一覧

CIEC会長の若林靖永教授 (京都大学経営管理大学院経営研究センター長) が、CIEC会員を中心にユニークな研究や実践に取り組む方々をインタビューする企画の第9回を公開しました。

会長インタビュー #9 河口紅さん (NPO法人さんぴぃす理事長)

今回は、NPO法人さんぴぃす理事長の河口紅さんに会長がインタビューします。オンラインゲームと子どもたちの置かれている環境の話から始まり、子育て中のお母さんと社会をつなげる話、そして起業アイディアと女性視点の話と、今回も盛りだくさんの内容になっています。ぜひご覧ください。


CIECには多様な専門性を持った会員が所属しています。会員の専門分野や教育実践について、インタビューをもとに紹介するのが「会長インタビュー」です。 

9回目は、NPO法人さんぴぃす理事長の河口紅さんにインタビューを行いました。


インタビューはZoomを使って行われました。写真左は河口紅さん。右はインタビュアーの若林靖永CIEC会長です。



河口 紅 (かわぐち くれない)
2000年から教員研修トレーナーとして、授業でICTを活用するための研修を全国の教育委員会で実施。「新たな学びの場」の創出を目指して2004年NPO法人さんぴぃすを設立。現在は教育支援だけでなくまちづくりから、子育て支援や女性の起業支援にも取り組む。すべての事業に必ず「学び」の要素を取り入れて実施することを法人の信条としている。NPO法人さんぴぃす理事長/兵庫県立大学非常勤講師。



河口さんといえば、インターネットとかパソコンとか、あるいは携帯電話などが普及して、それがもたらす課題が学校や子育てにおいて認識されはじめた時期に、講習事業をされていた方だと私は記憶しています。当時は具体的にどんな取り組みをされていたんでしょうか。


私が学校現場に入ったのは2000年で、教科「情報」が高校の必須科目になったころです。先生がきちんと生徒に教えられるようにということで、指導員のような形で現場に入りました。コンピューターを単に使えば良いという考え方ではなくて、学びに活用するとか、思考を深めるために使ってもらいたい、そんなふうに先生の認識を変えたいというのが私の活動の原点です。
コンピュータを授業で有効に活用できないのは、それは決して先生がサボってるのではなく、自分だけ、先生たちだけで何とかしようという意識が強すぎることが原因にある、と当時考えました。今で言う「コラボ」みたいに、外部の私が手伝えることはないだろうかという思いでやっていましたね。その根底には、日本の子どもたちにより良い学びの場を提供したいという強い想いが当時からありました。


学校だけでなく、保護者を対象にした講習も行っていましたよね。


はい。子どもの学びの場というのは、学校だけでなく地域と家庭にもあります。この3つのバランス、連携が重要だと考えていました。当時の子どもたちは、パソコンや携帯電話を使いたくて仕方がない、という状況でした。そうであれば、そのパソコンや携帯電話を軸に、みんなを巻き込んでいったらいいんじゃないか。そう考えて、保護者や地域向けの講習をやっていったという感じですね。その頃から、一方的に知識の伝達というスタイルには疑問があって、最新のテクノロジーだからこそ、大人も子どもも一緒に学んだり学びあうのがいいんじゃないかと思っていました。


オンラインゲームの普及と子どもたち


パソコンは道具なんだから、どんなふうに使うかが大事。人を傷つけないとか、自分の身を守るとかいった部分も含め、ちゃんと使えないとマズイよね、というのは今も通じる部分ですよね。社会の仕組みや企業のサービスも、当時に比べれば今はずいぶん充実してきているとはいえ、やっぱりその使い方は個人の自己責任、個人が持つべきリテラシーだ、というのはまだ続いているところがある。


そうですね。もう今の時代のリテラシー教育は、小学生から必要なんですよね。象徴的なのがオンラインゲーム。子どもが大人と遊ぶのは「お正月にすごろく」みたいな私たちの時代とは全然違って、オンラインゲームというハードな大人の世界に小学生が突然デビューして、そこで罵倒されたり暴言を吐かれたりもする。


オンラインゲームって、小学生が大学生とか、たとえば40代の人と1つのチームを作ったりするのって普通にありますもんね。お互い、相手が何歳なのかもわからないですし。


わかっていてやっている、というケースもあります。実際、YouTubeには小学生を罵倒するような動画が多く公開されているんです。


小学生だから反撃できないだろうってことですか。ひどい話ですね。まさに弱いものいじめ。


ただ一方で「オンラインゲームがなかったら、人の温もりを感じられなかった」という声もよく聞くんです。コロナ禍で友達と遊べなくなった時に、みんなでボイスチャットをしながらフォートナイトを遊ぶっていうのは、誰かの家でいっしょに遊んでるのと同じ感覚だと。


子どもと大人を分ける線がなくなってきている、ということだと思うんですよね。大人が他の大人といっしょに遊ぶ時に丁寧な言葉を使う、年下であっても「さん付け」する、といったことを広げていかないといけない。それと同時に、いじめやハラスメントに対して、法的な対応も含めた社会のルールを整備していかないといけないんでしょうね。
昔は、危険だから携帯電話は与えない、あるいは特定のサイトしか見せないよう機能制限をする、という方法もよく取られていましたけど、特に小学校高学年とかだと、そのやり方は妥当じゃないですよね。子どもたち自身も、そういう隔離するようなやり方をされたら楽しくない。
でも、子どもたちが大人の世界に入っていってしまったら、子どもたちをなかなか守れないですよね。ゲームの世界はそういう文化だから、傷つきたくないなら入らなければいい、という考え方もあるかもしれないけど。


相手から言われる否定的な言葉も、リアルで顔を見て冗談っぽく言われるのと、オンラインで画面越しに罵倒されるのとでは、心の傷も全然違ってくるだろうなとは思います。


リアルとオンライン、それぞれメリット・デメリットはありますよね。リアルだと罵倒だけでなく身体的暴力などにもつながる恐れがある。オンラインなら罵倒しても身体的暴力で反撃される心配がないけれど、される側も回線を遮断するという回避手段があるじゃないですか。


ただ、オンラインにしか居場所を感じられない人たちは、罵倒されても簡単に遮断できない、という話も聞くんですよね。大学生ぐらいなら、罵倒される役回りをキャラとして演じるような形でやり過ごすことができたりもする。でも小学生だとそこまでできなくて、親に言ったりしてやめることになるか、もし言える人がまわりにいない場合は、今度は自分が罵倒する側に回ってしまったりする。


あまり簡単に「監視して規制をする方向が良い」とは言えないですが、ゲーム上のやりとりを監視して、罵倒の言葉でアカウントを停止するような仕組みを業界が整備する、ということも技術的には可能ではあるでしょうね。


私は、学校の先生たちにもっとオンラインゲームに興味を持ってほしいと思いますよ。学校の先生が現実的にできることは限られるのかもしれませんけど...。子どもが自分の経験したことを言える場があり、それに寄り添える人がいることで、子どもは学び成長することができると考えています。


学校の先生や、保護者、あるいは河口さんのような立場の人がその役割になることも考えられますよね。オンラインゲームは、非日常的なエンターテイメントとしてだけでなく、もはや日常生活の一部になっていくような流れになっていますから、どう健全な産業、世界として発展させていくかは大きな問題です。ちょっと話が大きくなっちゃいますけど。


子育て中のお母さんを社会とつなげる仕事


最近は子育て支援として、母親向けの「MIGAKU」という事業もされているんですよね。これは具体的にどういうものなんですか。


もともとは、子育て中のお母さんたちは社会から孤立してしまいがちな問題があるということで、仕事で社会と結びつけるという観点で始まった事業です。
女性の場合、妊娠・出産でキャリアが中断して、職場から離れて家で過ごしている間に、どうしてもタイムマネジメントと対人コミュニケーションのスキルが鈍ってしまうんですよね。そうすると、すごく仕事がやりづらくなる。
仕事には納期や評価がつきものですが、一日の大半を投じている育児や家事にはそれがない。できていることが当たり前。達成感で人は成長するのに、育児や家事で達成感を求めるのは難しいじゃないですか。子どもの成長という面はあるにしても。
この問題を解決するには、仕事をするしかない。在宅ワークで、一日のどこにその仕事の時間を作り出すかを考える。それを繰り返してもらうことで、タイムマネジメントの考え方もできていくはずだ、という方針でやっていました。


一般的な「働く理由」としては「お金」と「家とは違う友達関係」を求めてのことが多いと思うんですが、事業説明会でそうしたお話をされて、子育て中のお母さんには河口さんの考えがうまく伝わりましたか。


そこはまったく問題なかったですね。お金だけが目的の人は、そもそも私たちの説明会には来ないというのもありますが、やはり「自分が社会とどのように関わるのか」について考えている人が、私の話に共感してくれるんだと思います。
たとえば「月3,000円稼ぐことから始める」なんて「ちっちゃいこと」だとバカにされるかもしれないんですが、コツコツやっていくことが得意な女性は多いですし、最初の一歩を踏み出すことが大切なんですね。その「ちっちゃいこと」を達成して評価されて、それを積み上げていくことが励みにも実績にもなり、やがて大きく成長した人を私は見てきました。


継続してことで自分が変わっていく、というのはありますからね。一歩踏み出して経験することで、自分に何が向いているのかが分かったり、次のチャンスで適切な判断ができるようになったりする。


そうですね。人によっては地域活動などで社会とつながるのが向いている、という人もいて。すごく印象に残っているのが、子育て支援情報誌をやってもらったケースですね。子育て中のお母さんたちに、企画運営から編集、営業まで全部やってもらって。情報誌を印刷するお金を得るために、商店街のお店に行って「広告」をとってくるんです。「私たち子育て支援の情報誌を創ってるんです。応援してください。」ってベビーカーを押しながらセールストークされたら誰も断れない(笑)。


外から要求される仕事なのか、内発的な動機による自分たちのためのことなのか、という違いはあっても、パソコンは使うし納期はあるしタイムマネジメントは必要だしで、要求されることは同じですもんね。


そうですね。仕事では、たとえば子どもが病気になったりして仕事を休まなくちゃいけない、あるいは辞めなきゃいけないとなったときに、きちんと状況判断して、周りに迷惑をかけないように行動することが大事ですよね。その疑似体験をしてもらったのかな、という思いはあります。


子育て中のお母さんは、そのあいだ仕事をサボってるわけではなく全力でやっているのだけれど、社会で活躍するスキルやマインドを残念ながら失ってしまうっていう問題がある。それに対して、もう一度社会で活躍できるよう、どうやってトランジション(移行)するのか。そのソフト・トランジションの仕組みとしてのプロジェクトワークということですね。


ここまで私がお話しした内容って5年ぐらい前までのことで、今ではクラウドソーシングの仕組みも一般的なりましたよね。現在の私のライフワークは、起業の支援なんです。社会の役に立ちたい、地域の役に立ちたいっていう思いのある女性が出てきていて。


私のところの学生も、将来は起業することを選択肢に入れている、それも「自分らしく生きていくための手段」として起業を捉えている人が少なくないですね。


私のまわりでは、起業を志す50代以上の人も多くて、みんな「自分は90歳まで現役で働きたい、学び続けたい、そのためには自分で仕事を創らないと、会社を起こさないと」って言ってるんですね。


お金をちゃんと得られないと自分の生活が回らないので、お金の問題も重要ではあるけど、利他的自己主義というか、利他的に生きることが自分の幸せであるっていう考え方は、確かに感じますよね。


今の時代はSNSもあるし、決済機能なんかも簡単に導入できて、資本金ゼロでも事業は始められる。あとは自分の考えることがどれだけ周囲の共感を得られるかだと思います。いわゆるスモールビジネス、半径5kmの商圏を知り尽くさないと事業はできないよって伝えています。そこで彼女たちが見つけた問題や意見は、福祉的なことも含めて、私が企業や行政とつないだりもしています。その仕事をする中で、いま面白い女性が増えてるなぁっていう実感はありますね。


21世紀の地域社会って、企業や行政がそういう市民レベルで支え合って、ネットワークを作っていくことなのかなと。きっと日本全国が同じような課題を抱えていて、それぞれにいろんな動きがあって、うねりとなってどう広がっていくのか、また河口さんのお話をお聞かせいただくのを楽しみにしています。


ありがとうございます。


CIECにもっと女性の視点を


最後に、いまCIECに対してどんなふうに思っているのか、ちょっとお聞きしたいと思うんですが。


そうですね、私がCIECに参加するようになった1つのきっかけが「河口さんは実践していることは誰にも負けないけれど、それを支える部分の知見がまだ弱い。CIECはそこを補完してくれるんじゃないか」と言われたことなんですね。CIECの活動、PCカンファレンスなどで議論をすることで得られるものが、私にとって今も魅力に映るところです。
ただ、新たな気づきとか意外な発見は、かっちりした議論じゃなく、カジュアルな雑談から生まれることも多いので、そういう話ができる場としてもCIECが機能すると良いのかなと感じます。


そういえば、最近、CIECでは学校の先生らによるサタデーカフェといった取り組みも始まりました。


そうですね。そういった場もできることで、女性も参加しやすくなり、CIECに女性の視点も増えていくんじゃないかと思います。そこにはすごく期待したいですね。教育に関する内容だけでなく、例えば、10代や女性にCIECへの共感を生み出す仕掛けとして、「インスタ映えするPCカンファレンスとは?」をテーマに話し合ったりしてみたいです。


そうですね。本日はどうもありがとうございました。


インタビュー実施: 2021年7月12日
編集: CIEC広報・ウェブ委員会 角南北斗


2021PCカンファレンスは、8月20日 (金) 〜23日 (月) の4日間に完全オンラインで開催されます。さまざまな企画が用意されていますので、Special企画「2021PCカンファレンス特集」としてご紹介します。

本記事では、8月22日 (日) および 23日 (月) に行われる、教育・ITフェア (いずれも10:00~17:45) の内容をお伝えします。


本年は教育・ITフェアもオンラインでの開催ですが、当フェアについては40社からご協賛を頂いております。

出展企業の一覧 (PDF)

協賛企業40社のうち、22企業についてはZoomによるリアルタイムブースを設置しております。教育・ITフェアでは、最新のICT機器、教材などの製品・サービスやコンピュータ利用環境・動向について、企業からの説明やデモを受けることができます。なお、協賛企業40社については各企業の製品・商品等のPR動画がYouTubeにアップされます。




この他にもさまざまな企画が用意されています。どうぞご期待ください。

みなさまのご参加をお待ちしております。

執筆 : 角南北斗 (2021PCカンファレンス広報担当)


2021PCカンファレンスは、8月20日 (金) 〜23日 (月) の4日間に完全オンラインで開催されます。さまざまな企画が用意されていますので、Special企画「2021PCカンファレンス特集」としてご紹介します。

本記事では、8月21日 (土) に行われる、CIEC団体会員発表セッション (11:15〜13:15) の内容をお伝えします。


CIEC団体会員発表セッション (8月21日 11:15〜13:15)

MS Officeスキル測定と最適な学習環境の実現 (11:20〜11:45)

株式会社ナレロー

MS Officeの操作スキルは、大学の新入生にとって必須のスキルです。ところがこのスキルは個人差が大きく、多くの教職員の皆様は一斉指導では無理無駄を感じています。近年、スマホ世代が入学しパソコンに不慣れな新入生が増加しており、スキルの低下が懸念されています。コロナ禍の影響で対面での指導が制約されており、自学自習へのニーズが高まっています。ナレローCAT (コンピュータ適応型テスト) およびCAL (同ラーニング) は、MS Officeスキルを測定し、その結果に応じて最適な学習環境を提供します。“CAT(テスト)により学習者が自身の能力を把握 → CAL(ラーニング)により能力に応じた最適な学習 → CAT(テスト)により学習の成果を確認” というサイクルで効率的かつ効果的にスキルが身に付きます。




必携パソコン活用とオンライン授業を支える『日経パソコンEdu』のご紹介 (11:50〜12:15)

日経BP

新型コロナウイルス感染拡大により、オンライン授業、または対面・オンラインのハイブリッド型授業への転換が一気に進みました。Officeソフト利活用や情報モラルなど従来必要とされていたPC基礎スキルに加え、これからの新入生には、オンライン授業を受講するためのスキルも必須となります。さらに1人1台端末がますます進んでいく中で、ノートの取り方、著作権に関する内容など、新入生が学ぶべきICTスキルも変化してきています。日経パソコンEduでは、新入生向けのPCスキル、オンライン授業受講ノウハウ、ICTリテラシーの向上をサポートする「パソコン&オンライン授業活用読本」の提供により、学生のスキル向上、新入生向けPC講座の構築を支援します。コロナ禍で変容を迫られる大学に、日経BPでご提供するソリューションのご紹介です。




MOS、統計検定CBT、ビジネス統計、ヤマハネットワーク技術者試験の学内・団体試験 (12:20〜12:45)

株式会社オデッセイコミュニケーションズ


様々な分野でデータの利活用が求められるようになり、統計学や情報学の基礎知識は文理問わず、習得すべき能力の1つと言えます。今まで紙で実施されていた統計検定が今年度以降CBT方式のみに切り替わります。統計検定CBT方式試験をはじめ、当社で実施運営しているMicrosoft Office Specialist(MOS)、ビジネス統計スペシャリスト、ヤマハネットワーク技術者認定試験の試験概要、学内PCを用いた試験や団体受験の実施方法、オンライン研修についてご案内いたします。




オンラインも可能!あなたの大学の大学生への最適なパソコンサポート方法を大診断! (12:50〜13:15)

株式会社 TRYWARP

あなたの大学の新入生は大丈夫?パソコンが苦手なため、大学生活の様々な場面で不安になったり苦労することが大学生にはたくさんあります。そんな時こそ、TRYWARP の「PCサポーターズ」の出番です。新入生にとってちょっと先輩で、同じ不安を乗り越えてきた PCサポーターズが、学生だからこそのお悩み事に対して、徹底的に寄り添います。この度、パソコン最短学習システム「習うのコレダケ®」を独自開発するなど、フルオンラインで全国の学生の不安を解消できるようになりました。レポートや課題、実習や就活、卒業論文など、パソコンを使いこなすことが求められるあらゆる学生生活をサポートします。パソコンは売っているけど、困っている時に助ける体制が弱い、規模が小さくてきめ細かいサポートができない、地方だからサポート事業者からの支援が受けづらいなど、様々な大学の方々のお悩みを解決する私たちのサポートプランをご紹介します。




この他にもさまざまな企画が用意されています。どうぞご期待ください。

みなさまのご参加をお待ちしております。

執筆 : 角南北斗 (2021PCカンファレンス広報担当)


2021PCカンファレンスは、8月20日 (金) 〜23日 (月) の4日間に完全オンラインで開催されます。さまざまな企画が用意されていますので、Special企画「2021PCカンファレンス特集」としてご紹介します。

本記事では、8月21日 (土) に行われる、イブニングセッション (18:00〜20:00) の内容をお伝えします。


イブニングセッション (8月21日 18:00〜20:00)

1. 外部でも使えるGoogleフォームとMicrosoft Formsのオンラインテスト ~作り方と特徴比較と使い方~

主催者 : 小川 健 (専修大学 経済学部・准教授)

多くの大学では使うLMSにオンラインテストは縛られてしまい、大学がLMSを変える度にオンラインテストが作り直しになり、非常勤先など複数の大学で勤務すると大学毎にLMSが違うのでオンラインテストの作り直しを余儀なくされる。しかしGoogleフォームとMicrosoft Formsは近年個人アカウントでも使えるようになり、しかも共にアンケートフォームがベースのため事前に正解を設定しなくても後から解答設定・修正しての採点・通知も可能である。内部アカウントに限定することで本人確認や添付ファイルの提出など内部アカウントに限定する強みもある。両者には特性の違いがあり、例えば一斉受験にはMicrosoft Formsの方が向き,Googleフォームはその問題傾向のドリルとしての提示やタイマーのアドオンを付けてのオンデマンド受験に向くなど、特性比較を紹介する。また、従来問題群のランダム化が難しかった両者だが、「運命の扉」方式など手法も紹介予定である。




2. セキュリティインシデントの「被害者」ケアについて、一緒に考えませんか?

主催者 : 山田 夕子 (社会医療法人愛仁会 公認情報セキュリティ監査人補)

セキュリティ対策の製品は各種売られており、IPAをはじめとした団体が「被害に遭わないための啓発」を行っており、企業も自社の被害防止に各種対策を講じている。セキュリティ監査もその一つに含まれます。

しかし、あちこちを見渡しても、企業による情報漏洩被害、SNSからの情報漏洩、身近にいる人からの情報漏洩、マルウェアに感染し被害を広げてしまった等の当事者の支援をする仕組みにはあまり出会えません。もちろん、学校では教員が、企業では社員がそれぞれ力を尽くしているが、そこから漏れてしまう人はどうでしょう?

本企画には、特別な知識やスキルは必要ありませんが、「自分が被害者になった時に、どのような支援が欲しいか」という視点で意見を出しながら、支援モデルの「萌芽」的な何かを描き出せればと思います。

なお、開催2週間前をめどに、いくつかの参考資料を呈示したいと思います。




3. CIECサタデーカフェ拡大版 〜みなさん!「GIGAスクール構想」順調ですか?〜

主催者 : 平田 義隆(京都女子中学校高等学校・CIEC小中高部会代表)
共催者 : CIEC小中高部会世話人


4月からGIGAスクール構想により多くの小中学校で一人1台端末が配付され、高等学校でもその動きが見られています。しかし、いきなりPCやタブレットがたくさんやってきて、どうすればよいか悩んでおられる先生方もおられるのではないでしょうか。そこでCIEC小中高部会では、このイブニングセッションでGIGAスクール構想について気軽に話し合う場を設けることにしました。「いま●●で悩んでいます」や「導入されたけどなかなか上手くいきません」などのお困りごとをはじめ「こんな使い方ができますよ」や「うちの学校ではこうして活用しています」などのアドバイスもお聞きできればと思っています。4月からスタートしましたCIECサタデーカフェの拡大版として開催し、みなさんで気軽に語り合いたいと考えています。ご興味のある方はぜひご参加ください。




4. Zoomハイブリッド中継の経験について情報交換をしましょう

主催者 : 筒井 洋一 (京都工芸繊維大学非常勤講師)

Zoomを授業や数名のオンライン会議で使うのは難しくありません。しかし、リアル会場からオンライン配信しようとすると、一気にハードルが上がります。未来の学びがリアルとオンラインの融合にあるとすれば、両者をつなぐZoomハイブリッド中継は未来の先取りと言えます。

2016年1月から、現在の形になったZoomは、コロナ禍前から、オンライン参加者だけの「完全オンライン中継」にとどまらず、リアルとオンラインをつなぐ「ハイブリッド中継」も始まってきました。会場毎に機材が違い、参加者も多いと、配信する際にはいつも四苦八苦します。

本セッションの主催者は、授業以外に、学会、団体、企業などのオンラインイベントのZoom中継にも携わっていますが、その経験についてお話しします。

本セッション参加者と、Zoom中継の経験を元に、中継の手法・機材について相互に意見交換しましょう。




この他にもさまざまな企画が用意されています。どうぞご期待ください。

なお、参加には事前のお申し込みが必要です。詳しくは、2021PCカンファレンス公式サイトをご覧ください。みなさまのご参加をお待ちしております。

執筆 : 角南北斗 (2021PCカンファレンス広報担当)