2003年度のプロジェクト事業には以下の8件が選ばれました。

学生と共に作るマルチメディア英語学習教材

代表者:竹内 勝徳 (鹿児島大学)


支給額:20万円

統計科学教育・学習のためのデータ及び解析シナリオ集の作成

代表者:宿久 洋 (鹿児島大学)
支給額:30万円

留学生のための科学技術日本語教育 e-Learning 化に伴うコンテンツ制作用テンプレートの開発研究、及び同 Learning Objects 発信システムの検証と開発研究

代表者:山本 敏幸 (金沢工業大学情報処理センター研究員)
支給額:30万円

情報環境支援プロジェクト (小中高部会)

代表者:奥山 賢一 (竜王町立竜王小学校)
支給額:40万円

次世代型 e-Learning 規格に基づくマルチモーダル外国語学習教材の制作

代表者:野澤 和典 (立命館大学)
支給額:30万円

情報教材作成プロジェクト (小中高部会)

代表者:武沢 護 (神奈川県立厚木南高等学校)
支給額:40万円

SMIL を用いた Multi-Media 教材の作成と授業への適用に関する実践的研究

代表者:森 夏節 (酪農学園大学)
支給額:30万円

大規模中国語語法コーパスを利用した Web 中国語動詞句辞典の開発

代表者:砂岡 和子 (早稲田大学政治経済学部)
支給額:30万円

プロジェクト事業活動における成果物


開催趣旨

米国政府系機関 International Broadcasting Bureau (IBB) を通じて提供される Voice of America (VOA) のビデオ素材は教育目的の利用に限り、著作権に抵触することなく二次利用することができます。

これらの良質な視聴覚学習素材をコンピュータ支援による言語学習 (CALL) の現場で有効に活用するには、デジタルビデオの編集加工と配信技術、分散型の能動学習を実現するための体系的なコースウェア構築が不可欠です。

外国語教育研究部会では、そうした動向を考慮しながら、ネットワーク委員会の協力の下で、複数の教育研究機関で共同利用可能な英語 e-Learning コンテンツの作成を試みています。

これまでの準備経過としては、まず、幾つかの VOA プログラムを衛星受信設備を使って受信、DVD 録画しました。次に、各プログラムのビデオ・データを、ノンリニア編集・ファイル変換し、ストリーミング方式で外部配信しながら、プロジェクト・メンバーの所属する大学や自宅での受信状況を検証しました。その結果、VOD コンテンツの閲覧自体については、ファイル形式の如何に関わりなくほぼ安定した状態で受信できるものの、利用する端末が接続しているネットワークの環境、ファイア・ウォールの有無の他、OS の相違によって受信状況に相当の差があることが判明しました。

本部会では、プロジェクト・メンバーの分担作業により、スクリプトの書き起こしを行い、それを元にどのような学習内容を構築できるかを検討しながら、教材作成を進めています。今回の研究会は、各担当者から開発経緯や問題点などを含めて中間報告してもらい、会場からの質疑応答等を通じて今後の開発改善に寄与することを目的とします。

プログラム(敬称略)

報告

1.「実験用サーバの運用とコンテンツ作成環境について」
  上村 隆一 (北九州市立大学)
2.「VOA素材を利用したオンライン・パーシャルディクテーション教材の開発
  吉田 晴世 (大阪教育大学)
3.「VOA配信素材Snapshotを利用した教材開発(1)」
  松田 憲 (立命館大学)
4.「VOA配信素材Snapshotを利用した教材開発(2)」
  野澤 和典 (立命館大学)

討論と意見交換

  司会 カンファレンス委員

参加費

CIEC 会員は無料、その他の方は500円となっています (どなたでもご参加いただけます)。


概要

タイトル 「大学改革と研究助成 ~大学の独自性と文部科学行政を考える~」
主催 CIEC (コンピュータ利用教育協議会)
日時 2004年3月13日 (土) 17:00 - 20:30
会場 大学生協会館2階 201-203会議室 (東京都杉並区和田3-30-22)
講演者 文部科学省研究振興局学術研究助成課長 岡本 薫 氏
文部科学省高等教育局主任大学改革官 小松 親次郎 氏
司会 CIEC 副会長 矢部 正之
参加費 無料

開催趣旨

20世紀に確立された日本の大学制度は、91年の「大綱化」を契機として、今世紀に入り更に大きくその姿を変えようとしています。4月からの国立大学の法人化は言うに及ばず、多くの私立大学においても、この数年で学部、学科制度に多様な変化が表れています。また、公立大学の法人化や改革も急を告げています。更に、法科大学院を始めとする専門職大学院構想やその設置など、極めて重要な制度改革も大学設置基準、設置認可行政の新たな動きのなかで現実のものとなってきています。

少子化と高学歴化、財政状況の悪化はこうした改革の直接的な引き金になっているのは事実ですが、その一方で、大学が従来の伝統的な秩序や制度の中だけではもはや成り立たなくなってきているのもまた事実です。これは、大学を取り巻く「規制緩和」や「競争原理の導入」という、これまでに経験したことのない社会状況の変化と国際的な競争力への対応が求められているからであり、このことが内外圧として強く作用しています。

大学は、その設置主体がどうであれ、自由な学問を創造し、社会に貢献する役割を負っています。そのような学術の創造と発展は、それを支える財政面において、多くの助成を受けなければ成り立ちません。大学自らがその教育・研究の成果を社会に公表し、社会からの批判にも積極的に耳を傾けること、つまり大学改革とアカウンタビリティーとは表裏一体をなす課題と言えましょう。その為には、大学自らが主体的にグランドデザインを描き、その自主的判断によって教育・研究を維持、発展させなければ、大学本来の責務を果たすことはできないと言っていいでしょう。

ところで、このような基本政策に関わる課題を、文部科学省は今後どのような方針で臨むのでしょうか。「規制緩和」と「行政指導」の間にどのような政策が絡むのでしょうか。そして、何よりも文部科学省が描く高等教育政策のグランドデザインとはどのようなものなのでしょうか。更に、大学が従来の財政基盤に事寄せてばかりいたのでは、もはや成り立たなくなっているのは自明なこととしても、外部資金に大きく依存することは基礎研究や人文系研究等の推進に影響を与えないのでしょうか。ことに21世紀 COE は、いわば「戦略的研究拠点」を築くものとして位置づけられていますが、大学の「基礎体力」をつける上でこれがどのように位置づくのでしょうか。また、この21世紀 COE は「理系に厚く、文系に薄い」という問題は生じないのでしょうか。そして配分基準とはどのような考え方に基づいているのでしょうか。「特色ある大学教育支援プログラム」の設置理念や設置経緯、配分基準はどのようになっているのでしょうか。

CIEC では、これら大学の教育・研究をめぐる重要な諸問題を考えるにあたり、以下の要領で文部科学省の担当者をお招きしての講演会を開催することにいたしました。国立大学が間もなく法人化する直前でもあり、また、研究振興局学術研究助成課長と高等教育局主任大学改革官のお二人を同時にお招きするのは、余り例のないことと思われます。

年度末の繁忙期とは存じますが、どうぞお誘い合わせのうえ、多数ご参加くださるようご案内いたします。


講師紹介

氏は東京都台東区出身。東京外国語大学ではベトナム語を専攻しつつ故若林俊輔先生のゼミで英語教育を学ぶ。上越教育大学大学院を修了 (英語教育)。出版社勤務の後、1993年に木更津工業高等専門学校赴任、拓殖大学を経て、現在中部大学国際関係学部助教授。高専時代からインターネットを活用した英語教育の普及や実践に携わる。

特に文字ベース仮想空間システム MOO (Multi-User Dungeon Object Oriented) の語学教育への応用を研究テーマとして、95年から schMOOze University の運営に参加、世界中の英語学習者に文字チャットによる協働学習空間を提供している。その他、日本人向けに構築した saMOOrai や、各種オンライン学習リソースの開発や運営に従事している。

開催趣旨

WebCT や Blackboard などに代表される e-learning コースウエアの多くは、大規模大学にとって、サイトライセンス費などが高額であり、それらの持つ機能も理想的なものとは言い難い。そこで Windows 環境でもMac環境でも Linux 環境でもサーバさえあれば気軽に無料のポータル・サイトを構築でき、マルチリンガルに対応している Xoops (http://www.xoops.org/) の導入について、すでに導入し利用している中部大学での実践例をご紹介してもらうと同時に、外国語教育・学習に利用する環境で導入するためのノウハウを学ぶためのワークショップを開催する。

講演概略

講演では、コンテンツマネージメントシステム (CMS) のひとつである XOOPS を紹介し、その教育現場での可能性について考えていきます。これまでは、掲示板や投票システムなどの CGI プログラムや、メーリングリストなどの個別の仕掛けを組み合わせて授業サイトを構築することが一般的でした。それらのいわば「枯れた」機能を統合し、コミュニティサイトを容易に構築できるようにしたパッケージが XOOPS です。ダイナミックなサイト構築には早くから PHP が利用されており、XOOPS 以外にも CMS はいくつか存在しますが、XOOPS は中心的開発者が日本人ということもあり、マルチバイト文字への対応がしっかりしています。講演の部では、XOOPS の特徴や仕組みについて概説して、基本機能を紹介した後、教育現場での活用の可能性を検討し、実際に XOOPS を利用して構築した学習サイトを紹介する予定です。

ワークショップ概略

ワークショップの部では、XOOPS のインストールからサイトの構築と運営、授業で活用する際に留意すべき点やコツを実習します。作業は、XOOPS 運用に必要な環境を整備した外部サーバを使い、ここにあらかじめアップロードしてある XOOPS パッケージをスクリプトに従ってインストールします。環境の初期設定を済ませ、ユーザ登録やフォーラムの開設やリンク集の構築などの基本的作業を体験していただきます。さらに、授業に便利な機能を提供してくれるモジュールを追加し、XOOPS 環境を拡張する方法も実習します。これらの作業を通じて、今後 XOOPS で授業サイトを構築するための基礎的な概念が体得できるはずです。

プログラム(敬称略)

司会 野澤 和典 (立命館大学)
13:30 - 13:40 開会挨拶 野澤 和典 (立命館大学)
13:40 - 14:40 講演「Xoops portal site の構築と運用方法」 淡路 佳昌 (中部大学)
14:40 - 15:00 休憩
15:00 - 16:30 ワークショップ
16:30 - 16:50 討論と意見交換
16:50 - 17:00 閉会挨拶 上村 隆一 (北九州市立大学)

参加費

CIEC 会員および大学生協組合員は無料、その他の方は500円となっています (どなたでもご参加いただけます)。


開催趣旨

インターネットとコンピュータが学校だけでなく家庭でも急激に普及してきています。今まで学校内だけで教育を行ってきましたが、地域や社会とのかかわりがインターネットの普及により急速に広まってきています。今回の研究会では、山本恒先生に園田学園女子大で行っているインターネットキャンパスについてご講演いただきます。また、井上明先生には甲南大学での情報リテラシー教育用の e-learning 教材開発と運用および幼児向けの情報教育教材開発と実践についてご講演いただきます。

園田学園女子大学では、インターネット技術を利用した学習支援システムを使って、大学の専門の授業が受けられる「インターネット・キャンパス」を2000年4月1日より運営され、電子的な仮想キャンパスに受講生と教員が寄り合い、インターネットの教材をもとに教員や受講生同士が対話や会話をしながら学習を進めていくというシステムを開発されました。このシステムを運営されて今年で4年目ですので、具体的なお話が聞けることと思います。

甲南大学では、情報教育研究センターが1996年より発足し、リテラシー教育のほかに電子教材の授受やレポート提出などの教学支援を始められています。ここで、情報リテラシー教育用の e-learning 教材や幼児向けの情報教育教材を開発し実際に運用された経験をお話いただきます。講演をお聞きして、今後の CIEC の活動の可能性を広げてゆきたいと思っています。

プログラム(敬称略)

司会 大岩幸太郎 (大分大学)
13:30 - 13:40 開会挨拶 綾 皓二郎(石巻専修大学)
13:40 - 14:40 講演「情報リテラシーの学びの場」 井上 明 (甲南大学)
14:40 - 14:50 休憩
14:50 - 15:50 講演「インターネットキャンパス」 山本 恒 (園田学園女子大学)
15:50 - 16:00 休憩
16:00 - 16:50 討論と意見交換
16:50 - 17:00 閉会挨拶

参加費

CIEC 会員および大学生協組合員は無料、その他の方は500円となっています (どなたでもご参加いただけます)。