概要
開催趣旨
近年、ICT技術の発展とインターネット環境の飛躍的な向上とともに、大学レベルのeラーニング導入は全国各地で試みられていますが、各大学・学部・学科の実情に合った教材コンテンツがまだ数少なく、利用学生数も伸び悩んでいるのが現状です。今回の研究会では、オンライン学習の利点・問題点とコンテンツ共同利用の必要性についての問題提起、教材制作の現場からの事例報告を開発者側と教育者側それぞれの立場から行っていただき、あわせて講師と参加者の自由な意見交換の場を持ちます。また、講演の内容に連動したプログラムとして、Moodle を利用し、eラーニング教材の大学向けネット配信をめざす研究開発プロジェクトの成果物を用いた体験学習を行います。
プログラム
- 13:00 - 13:10
- [ 開会の辞 ] 司会:立田 ルミ (獨協大学、CIEC 研究委員会委員長)
- 13:10 - 14:00
- [ 講演1 ]
大学のeラーニング活用の実情とUPO-NETの活動介
平野 秋一郎 氏 (放送大学 ICT 活用・遠隔教育センター)
- 14:10 - 15:00
- [ 講演2 ]
リメディアル教育用UPO-NETコンテンツの開発について
穂屋下 茂 氏 (佐賀大学高等教育開発センター)
- 15:00 - 15:20
- [ 休憩 ] (学術情報センター講義室1へ会場移動)
- 15:20 - 16:00
- [ 報告 ]
Moodle上の英語リメディアル教材 - eラーニングの教育的効果
長 加奈子 氏 (北九州市立大学基盤教育センター)
- 16:00 - 16:30
- [ チュートリアル ]
UPO-NETのシステムと教材果
杉山 秀則 氏 (放送大学ICT活用・遠隔教育センター)
- 16:30 - 17:00
-
UPO-NET教材コンテンツ (英語・数学・理科と情報倫理など) 体験学習
- 17:00 -
- [ 閉会の辞 ]
講演要旨
[ 講演1 ] 大学のeラーニング活用の実情とUPO-NETの活動
UPO-NETでは、その要因はeラーニング教材 (コンテンツ) の不足にあると考えました。これまでeラーニングはシステムや機能が重視され、教育面の配慮が十分ではありませんでした。そのため、ICTの知識、経験が少ない先生方が教材を自作するのは容易ではありません。大学の情報システムの制約でインターネットでの教材利用ができないというケースもありました。市販の教材も価格が高い、学生のレベルに合わないなどの理由で十分活用できないケースも少なくありません。eラーニングを効果的に活用するには、授業設計、学習指導など対面授業とは違う工夫が必要ですが、その理解も進んでいません。
UPO-NETでは、大学が少ない負担でeラーニング教材 (コンテンツ) を利用できる環境をつくり、先生方がeラーニングに慣れ、授業などで活用することが肝要と考え、需要の多い「リメディアル教育」「初年次教育」「基礎教育」「キャリア教育」などの教材の開発、提供を進めています。すでに215大学、300人の教職員が登録しています。
eラーニングを上手に使っている大学では、「学力の底上げ」「入学前教育」「社会人学生の獲得」などeラーニングの目的や学習支援の方法などを明確にしています。eラーニングも教育です。システムやコンテンツがあればできるのではなく、先生方の工夫が必要です。そのため、UPO-NETでは利用大学と共同で、eラーニングの効果的な授業方法、学習方法、また学習支援やコミュニケーションの方法を研究していきます。
[ 講演2 ] リメディアル教育用UPO-NETコンテンツの開発について
近年,入学生の数学や理科等の基礎学力が低く,大学での専門的な学問の理解が困難な学生が増えてきています。その対応策として,リメディアル教育が注目されていますが,それを対面一斉授業で実施する場合,教員の負担や教室の確保等が問題になります。そこで,リメディアル教育をeラーニング化して,それらの制限をなくし,いつでも・どこでも・何度でも学べる環境の提供が可能となれば,より多くの学生に対してリメディアル教育を行うことができ,学習効果の向上と大学全体としての基礎学力のアップにも繋がります。本学では、これまでeラーニングを着実に実践し,その中でeラーニングは教育改革のツールになることを実証してきました。この実証において,eラーニングによるリメディアル教育の飛躍的な進展を図るためには,教材の共有化が特に重要であることが明らかになってきました。本講演では,UPO-NETのeラーニング実施環境と共有教材の開発について報告します。
参加費
CIEC 会員であるか否かによらず 500円 (資料代) となっています (どなたでもご参加いただけます)。