開催趣旨

この研究会は、絵画や音楽を対象として新しいメディアリテラシーの実践を探求する目的で開催いたします。今回取り上げる「対話型鑑賞」は、すでに芸術系の科目を中心に「対話による鑑賞」を通じて子どもたちの思考力や対話能力を伸ばすことを目的に実施されています。これはニューヨーク近代美術館の元学芸員、アメリア・アレナスがその第一人者として日本にも紹介され、今回の会場となる石川県立美術館では、小学校へ学芸員が作品とともに出向いて対話型鑑賞の出前講座を実践しています。

この「対話型鑑賞」とは、指導者が作品を一方的に解説するのではなく、作品を前にした学習者にさまざまな問いかけをおこない、学習者の言葉を引き出しながら内容を深めていく鑑賞法です。つまり、学習者と対象物の間に立つ指導者の役割を考えるものでもあります。

ここで、芸術作品をメディア (表現および伝達) としてとらえると、学習者と作品・指導者と作品・学習者と指導者や学習者と学習者の間で生まれる作品を媒介とするコミュニケーションをとおして、メディアリテラシーを扱う創造的な学習空間が創出される可能性があります。

音楽や絵画は子どもから大人まで幅広く鑑賞されています。しかし、音楽や絵画の鑑賞・分析は、主に芸術系の科目で取り扱われてきました。この研究会は、対話をとおした観賞や分析をメディアリテラシーの視点から問い直すことで、メディアリテラシーの授業実践に新たな可能性を提供する機会となることを目指しています。

プログラム

13:30 - 15:00
[ 講演1 ]

対話型鑑賞の説明と体験
講師 対話型鑑賞担当者 (石川県立美術館)

15:00 - 16:00
[ 講演2 ]

メディアリテラシーとは
講師 奥本 素子 氏 (総合研究大学院大学 全学事業推進室)

16:00 - 17:00
[ 意見交換 ]

メディアリテラシーと対話型鑑賞の関係
今後の可能性について

参加費

CIEC 会員は無料、その他の方は500円 となっています (どなたでもご参加いただけます)。


開催趣旨

1999年、アメリカ学術会議 (National Research Council) によって「Being Fluent with Information Technology」が出版された。この本で「FITness」という名前で提案されている項目が、いわゆる「情報フルーエンシー」の目標である。本研究会では、情報フルーエンシーの発生の背景、情報リテラシー、パソコンスキルなどの概念との違い、現在の日本国内における高等学校や大学での展開などについて、この領域を研究・実践してきた4名の話者が紹介し、今後の情報教育の目標の一つとしての位置付けについて、活発な議論を行う。

プログラム

13:30 - 14:20
[ 報告1 ]

Being Fluent with IT の背景と、情報フルーエンシーが示唆するもの
中條 道雄 氏 (関西学院大学)

14:30 - 15:20
[ 報告2 ]

京都大学における情報フルーエンシー
喜多 一 氏 (京都大学)

15:30 - 16:00
[ 報告3 ]

高校情報科と情報フルーエンシー
野部 緑 氏 (大阪府立桃谷高等学校)

16:10 - 17:00
[ 報告4 ]

国内各大学の標準教科書や IPSJ GE-BOK と情報フルーエンシー
辰己 丈夫 氏 (東京農工大学)

司会:中西 通雄 (大阪工業大学 / 研究委員会委員)

参加費

CIEC会員、教育システム情報学会員は無料、非会員の方は500円となっています (どなたでもご参加いただけます)。


開催趣旨

高等学校で教科「情報」が2003年度に導入され、高等学校で初めて必履修科目として「情報」が設置された。その内容は、「情報A」、「情報B」、「情報C」のいずれかを1年生から3年生までの間に2単位必履修するものであった。2009年3月19日には、2013年から実施する新指導要綱が発表され、今までとは異なり、「社会と情報」および「情報の科学」のいずれかを必履修することになる。この新指導要領の内容と、新指導要領によって今後どのような変化が起こるのかを玉川大学の堀田龍也先生に講演いただく。その後、高等学校の「情報」担当者、大学の「一般情報」の担当者、教科「情報」の教員養成の担当者から実情を話していただき、今後どのように対応してゆくべきかをディスカッションする。

プログラム

【第 1 部】

13:30 - 14:30
[ 基調講演 ]

情報教育と新学習指導要領
講師 堀田 龍也 氏 (玉川大学学術研究所・文部科学省参与)

【第 2 部】

14:40 - 16:15
[ パネルディスカッション ]

新学習指導要領とICT活用

パネリスト:
高橋 純 氏 (富山大学人間発達科学部)
立田 ルミ 氏 (獨協大学経済学部、CIEC研究委員会委員長)
堀田 龍也 氏 (玉川大学学術研究所・文部科学省参与)
藤井 弘也 氏 (大分大学教育福祉科学部)

司会:大岩 幸太郎 (大分大学教育福祉科学部、『情報教育イノベータ』養成教育プログラム実施部門長)

参加費

無料


開催趣旨

新学習指導要領では、児童生徒が、社会生活と関連づけて自らの考えを数学的に表現したり根拠を明らかにして説明・議論したりすることができるようになることを求められています。すなわち、グラフなどの表現やデータの分析を通して考える力が、数学だけでなく他教科においても児童・生徒が身につけるべき能力とされています。しかしながら、児童・生徒を指導する教員が、数学的表現や統計的な概念・データ分析に関しては,初学者であることもあります。

この研究会では、教育に携わるさまざまな方々が授業などの実践・身の回りにあるさまざまな状況を説明し改善するためのツールとして統計の基本概念を理解し活用できるようになることを目指します。

また学校評価が初等中等教育で義務づけられたことに伴い、学校評価によって集められたデータを、学校関係者が適切に読み解くことが必要になってきています。この研究会では、学校評価の調査票設計からデータの分析までを流れを理解し体験することで、参加者が児童生徒に求められている統計教育を理解し、自らも活用する機会を提供します。

プログラム

13:00 - 13:40
[ 講演 ]

新学習指導要領と統計教育
講師 宿久 洋 氏 (同志社大学文化情報学部教授)

13:50 - 16:20
[ 講演 ]

学校評価のための調査票設計から分析へ -社会調査法入門-
講師 鄭 躍軍 氏 (同志社大学文化情報学部教授)

16:30 - 18:00
[ 実習 ]

アンケート分析実習 集計・要約・視覚化と統計的推測
講師 岩佐 英彦 氏 (スキャネット株式会社取締役)

参加費

CIEC 会員は無料、その他の方は500円 となっています (どなたでもご参加いただけます)。


開催趣旨

大学においてe-learningも含めた情報技術を生かした講義設計がどのように行われているか、北海道内の大学における実践例を紹介し、大学はもとより中高の講義における活用の可能性も含めて今後の方向性を議論する機会とする。

プログラム

9:30
受付開始
10:00 - 10:30
[ 講演 ]

自立型eラーニングの構築
川名 典人 氏 (札幌国際大学)

概要) ネット上でeラーニングによる学習支援を導入しようと考える時、多くの人が直面する問題は、「どのようにしてコンテンツをeラーニング用に変換するか」、「作成したコンテンツを、費用をかけず、どこに保存するか」、「学習支援サイトをどのようにして簡単に構築するか」である。本研究では、StarQuizというeラーニング作成ソフト とブログを利用した参加型学習コミュニティサイト運営の事例から、このような問題の解決法を考察する。

10:30 - 11:00
[ 講演 ]

自動採点ツールを用いたコンピュータリテラシー教育 - 学生の自学自習を促す試み -
石川 千温 氏 (札幌学院大学)

概要) 札幌学院大学においてコンピュータリテラシー教育用に開発した自動採点ツールは、多人数講義における演習課題の採点の効率化だけでなく、学生の自学自習を促進する効果も確認されている。このツールは道内の複数の高校においても、高大連携の取組みの一環として数年前から導入され、その効果が報告されている。本報告ではツールの概要と、その自学自習効果について紹介する。

11:00 - 11:30
[ 講演 ]

教育支援システムNESSを用いた大学における一般情報処理教育の例と入学生のスキル傾向について
曽我 聡起 氏 (北海道文教大学)

概要) 過去数年、本学では専任教員2名により全学部・全学科 (2学部、7学科) を対象にノア出版のNESS (Noa Education Support System) を利用した一般情報処理教育を行っている。NESS のコンテンツは全てノア出版により作成されるため、担当教員の負担が少ない。また、NESSのスキルテストなどのツールを利用したデータから大学入学生の情報機器操作に関するスキルの傾向が明らかになってきた。今回は、NESS を利用した実践事例の紹介と入学生のスキル傾向について報告する。

11:45 - 12:00
[ 企業プレゼンテーション ]

情報活用力 -社会で役立つ実践力を身につける-
原田 ゆかり 氏 (株式会社ワークアカデミー noa出版)

概要) 大学全入時代と言われている昨今、学生の学力低下や質の変化が問題視されている。弊社もその問題に着目し、「情報活用力こそが今後の人材育成の核であり、コンピュータの利用によって情報活用能力が高まる」という考えをもとに、教材やテストの開発をすすめている。今回は、その教材を紹介し、教材やテストを利用した授業を提案する。

12:00 - 12:30

参加者全員で意見交換

参加費

CIEC 会員は無料 (当日会場での入会申し込みにも適用されます)、その他の方は500円 となっています (どなたでもご参加いただけます)。